データマイグレーションサービス

視聴覚資料を未来へ確実に遺していくために、データマイグレーションのお手伝いをいたします。

 (1)視聴覚資料の保存における課題  /  (2)データマイグレーションとは  /  (3)長期保存用メディアについて  /  (4)東京光音のデータマイグレーションサービス 

(1)視聴覚資料の保存における課題

視聴覚資料は時代とともにフィルム、磁気テープ、ディスクメディア、データ形式と形を変えてきました。

現在では、省スペースかつパソコン上で扱いやすいデータ形式が主流となりましたが、この「データ形式」も保存において完全なものとはいえません。記録メディアの劣化による破損やデータの消失、再生環境の変化(読込可能なデータ形式、再生機器の旧式化)など、様々な要因で将来的にデータを使用できなくなるリスクがあります。

例えば、 メディアの寿命が長くとも、対応している再生機・ドライブがなければ中身のデータを読み込むことはできません。すなわち、再生機器の供給・保守期間も考慮する必要があります。

記録メディアに格納されているデータを長期的に保存・視聴できる状態に維持するためには、視聴覚資料のデジタル化と併せて、データの保管・保存方法についても検討しましょう。

(2)データマイグレーションとは

データを異なる形式、ソフトウェア、装置間で移動することを「データマイグレーション」(Data migration)といいます。

より大容量、より高耐久を目指して、新しい記録メディアが次々と開発されています。メディアによっては専用のドライブが必要であったり、技術の進化によって世代が設けられ、読み取りや書き込みには各世代の互換性が限られていることもあります。

各メディアの特徴とデータの使用目的・使用頻度などを考慮したうえで、古いものから新しいものへ、異なる装置やソフトウェアへのデータの移行・書き換え(データマイグレーション)を検討しましょう。

また、既存の記録メディアから 大容量のメディアへ移行することで、記録メディアの保管場所を削減できることもデータマイグレーションのメリットの一つです。

データマイグレーションで可能になること

①保存可能年数の長期化

耐久性や互換性に優れたメディアへ移行することにより、確実にデータを将来へ引き継ぐことができます。

※本来の性能や信頼性を保つためには、適切な環境での保管が必要です。

各種記録メディアの保存可能期間(メーカー公称値)

長期保存用Blu-ray約200年
ODA(第3世代)約100年
LTO-8約50年
長期保存用DVD約30年
HDD約5年
②保管場所の省スペース化

大容量の記録メディアにデータを移行することにより、データの保管場所を削減することができます。

例:約10TBのデジタルデータに必要なメディア数

長期保存用DVD(4.7GB)約2130枚
長期保存用Blu-ray(100GB)約100枚
HDD(500GB)約20台
ODA Gen.3(5.5TB(追記型))約2台
LTO-8(12TB/30TB)約1台

(3)長期保存用メディアとは

データマイグレーション先として候補に挙がるのが、ODAやLTOなどのいわゆる「長期保存用メディア」になります。長期保存メディアは温度や湿度の変化に比較的強く高耐久であり、一般的なDVD/Blu-rayディスク、ハードディスクなどに比べてメディアそのものの寿命が長いとされています。また、大容量のものが多く、大量のデータの長期間保存に優れています。

ここではデータ保存の方針に合わせたメディア例と各種メディアの特徴を紹介します。

保存方針と最適なメディアの例

 

各種保存用メディアの特徴

①HDD

USB端子を持つパソコンであれば接続するだけで読み書きが可能な上に、格納可能なデータ容量の幅が広い記録メディアです(500GB~数TB)。そのため、扱いやすさには定評がありますが、精密機器であるため外部からの衝撃や本体の破損によるデータ消失のリスクがあります。あくまでも長期的な保存を目的とした運用ではなく、頻繁に使用するデータの格納・運搬容器としての運用をお勧めします。

また、万が一の場合に備えて、クラウドやサーバーへのバックアップ、正/副の複数台での管理などの対策を合わせて実施すると、より確実にデータを保存することが可能です。

②長期保存用DVD/Blu-ray

通常のDVD/Blu-ray用のドライブで読み込み可能(※)なため、HDDと同様に扱いやすさに優れていますが、1枚あたりの容量は4.7GB~100GBと他の長期保存用メディアよりも限られます。視聴覚資料1点に対して、1枚のディスクに格納して運用・管理をする場合に適しています。

※一部の旧式のドライブは、長期保存用ディスクを読み込めない場合があるためご注意ください。

③LTO(Linear Tape-Open)

50年以上の長期保存が可能な磁気テープによる長期保存用記録メディア(第8世代:非圧縮時容量12TB/圧縮時容量30TB)です。読み込み・書き込みには専用のドライブが必要です。金融機関や研究機関など様々な分野で採用されており、複数社による生産が行われています。また、大容量化を目指した長期的な次世代カートリッジの開発ロードマップが公表されているのも大きな特徴です。

下位互換が1~2世代前のカートリッジまでに限られるため、新世代の登場と共にデータマイグレーションを検討する必要がありますが、定期的なマイグレーションを行うことによってデータを長期的に保存することが可能になります。

④ODA(Optical Disc Archive)

100年以上の長期保存が可能な長期保存用記録メディア(第3世代:5.5TB)です。磁気テープを使用しているLTOとは異なり、データはケースに内蔵された複数枚の光学ディスクに記録されます。読み込み・書き込みには専用のドライブが必要です。第1世代から第3世代まで共通のドライブで読み込みが可能なため、頻繁なデータマイグレーションの実施は不要とされています。

カートリッジおよびドライブは1社による生産・供給体制であり、第3世代以降のロードマップの公開もされていないため、適時データマイグレーションの検討は必要になりますが、水濡れや温湿度変化(温度:-10℃~55℃、湿度:3%~90%RH(※メーカー公称値))にも強い設計となっているため、データを長期間、1つのカートリッジに保存しておくことが可能です。

各種メディアの特徴まとめ

取り扱いやすさコンパクトさデータ容量耐久性互換性
HDD○(※1)
長期保存用DVD/Blu-ray○(※2)
LTO
ODA

※1:同じデータ容量であっても、「ポータブル型」「据え置き型」などの種類や各メーカーのモデルによって大きさは変動します。

※2:メディア単体で扱う場合はコンパクトですが、複数枚にわたる場合は一定の保管スペースが必要となります。

(4)東京光音のデータマイグレーションサービス

当社では、幅広い種類のメディアのデータマイグレーションに対応しております。データの管理方法や保存の長期的な計画、ご予算等に応じて最適なデータマイグレーションをご提案いたしますので、是非お気軽にお問合せ下さい。

※掲載されている記録メディアに関する仕様はすべて2021年6月時点の情報になります。
※新しいメディアへのデータ移行後、問題なく書き込みができたか検証する作業(データチェック)の実施も可能です。データチェックの詳細についてはこちら

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