ビネガーシンドローム

今日は僕たちフィルムを襲う恐ろしい病、ビネガーシンドロームについて紹介するよ!

「ビネガー」というワードからわかる通り、酢酸臭がこの病気のサイン

フィルムは主に骨格となる「ベース」と画が残される「エマルジョン」の2つからできているんだけど、一般に普及しているフィルムの中にはベースにアセテートという物質が含まれているものがあるんだ。このアセテートが熱や湿気によって化学変化を起こし、酢酸を発生させてしまう!

このビネガーシンドロームが起きるとフィルムが歪んだり、縮んだり、溶けてしまったり・・・(あぁ恐ろしい!)

どこからともなく漂う酢酸臭をたどると、長く眠っていたフィルムが見つかるかも!そのままにしておくと、どんどん進行してしまうだけでなく、他のフィルムにも伝染してしまうので早めに他のフィルムとは別の場所に移してね。

僕たちフィルムは高温多湿が大の苦手。

低温、そして風通しの良いところに保管するといいよ。缶や箱に保管されている場合は時々あけて換気をしたり様子を確認してみてね。

ビネガーシンドロームは一度発症すると止めることができないんだ。もし酸っぱい臭いのするフィルムを見つけたら、できるだけ早くデジタル化することをおススメするよ!

令和2年7月豪雨に伴う視聴覚資料救済窓口開設について

この度の豪雨災害、河川氾濫について亡くなられた方々へのご冥福を心からお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に対してお見舞い申し上げます。

弊社では、映像を専門に扱う私たちにできるボランティア活動として、水損した映像・音声資料のクリーニングを無償で行っております。

この活動は、2011年3月に発生した東日本大震災より、NPO法人 映画保存協会と共に行っており、同震災の際は罹災した視聴覚資料850本以上の救済を行いました。皆様の思い出の映像を失わないためにもご協力させて頂ければと思います。

以前の実績例はこちらをご覧ください。http://www.koon.co.jp/suison.html

 

 

お問い合わせ先

株式会社 東京光音

  • Email: info@koon.co.jp
  • 電話: 03-5354-6510
  • 住所: 〒151-0061 東京都渋谷区初台1-47-1 小田急西新宿ビル1F

こちらも合わせてご覧ください >> 映画保存協会・災害対策本部HP

1/2インチオープンリールビデオ

今日は1960年代に家庭用VTRとして製造されていた 1/2インチオープンリールビデオについてレポートするよ!

1970年代から家庭用VTRとして広く普及したのは、カセット型のベータマックス(1975年~2002年)・VHS(1976年~2016年)だけど、それ以前はオープンリール型のビデオテープが使われていたんだ。テープ幅はカセット型と同じ 1/2インチだよ。

1/2オープンリールテープ

当初は各メーカー独自の規格(シバデン方式やビクター方式など)で作られていたんだけど、1969年に規格が統一されたんだよ(統一Ⅰ型)。

1/2オープンリールテープは1960年代~70年代にかけて家庭用として製造された映像記録媒体として貴重なんだけど、もっと貴重なのが再生機!特に、統一Ⅰ型以前のテープは専用の再生機が必要になるんだ!!

ビクター
シバデン
ソニー

それと、テープも古いのでとっても汚れているんだ。まともに映像が出ないものもたくさんあるよ。だから、テープクリーニングがとっても重要なんだよ。

古い機械なので時々不機嫌になるけど、なんとかご機嫌取りをしながら使ってマス。

大量8mmフィルムの動画化(後編)

個人様からのご依頼で約200本の8mmフィルムをデジタル化させていただきました。

映像内容は、世界各国で撮影された記録ムービーでした。
撮影者の方はお仕事の関係で各国を回られていたようです。


“自粛期間中の作業と言う事もあり、この時期は家と仕事場のみの往復でした。
どこかへ行けるわけでもなく、悶々としている中での作業でしたが、8mmフィルムの映像にはヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジアと50年前の世界各国の映像が映し出され少し世界旅行をしている気分になれました。”

カラコレ担当者 談

映像とは無関係の作業担当者であっても50年前の映像から、楽しめたり、気持ちが高揚したり出来るんですね。
ホームムービーには撮影者の気持ちが色濃く記録されているんだなと、今回の8mmフィルムで改めて感じることができました。