光音ブログ1周年

「光音ブログ」を開設してから、11月1日でちょうど1年となりました。

弊社も多分に漏れず、新型コロナウィルスの影響により苦難の1年となりましたが、同時に弊社HPのリニューアルやYouTubeチャンネルの開設、公式Twitterアカウントの開設など、新しいことにチャレンジしていく刺激的な1年でもありました。今後も「未来へ遺すためあきらめない志」をモットーに、映像・音声資料の修復・復元に努めてまいりますので、引き続き変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。

そして、光音ブログの1周年を語る上で欠かせない存在なのが、弊社のマスコットキャラクターである「KOONくん」です。彼が東京光音に住み着くようになって、ちょうど1年が経ちました。ブログ記事の作成やインタビュー、SNSの投稿、YouTubeへの登場など、東京光音の広告塔として大活躍の1年でした。次回は、そんな彼の誕生秘話について紹介します。

解像度あれこれ

こんにちは!今回は「解像度」について紹介するよ!

「ハイビジョン」や「4K」ってよく聞くけど、何が違うのかな?4Kの映像はとてもキレイ!ってことは何となくわかるよね。この「ハイビジョン」とか「4K」っていうのは解像度のことを表しているんだよ!

ちなみに「ハイビジョン」というのは日本だけの表現で、正式には「High Definition(HD)」というよ。

映像データを構成している「ピクセル」と呼ばれる点の数が多ければ多いほど、「解像度が高い」=「キレイな映像」になるよ。映像データの解像度は[画面横のピクセル数×縦のピクセル数]で表されていて、「4K」は横のピクセル数が4000相当で「4K」とよばれるんだ。

1000mを1km、1000gを1kgというように「K」は1000倍という意味だよ。

東京光音では上の図にあるように、どんなところで使われるかによって適した解像度を推奨しているよ。よくわからないことがあれば、東京光音までお気軽に問い合わせて大丈夫だよ!

ちなみに・・・僕たちフィルムは16mmフィルムで2K以上、35mmフィルムだとなんと4K以上の情報量があるといわれているんだ!(せっかくなら高解像度でキレイなデジタルデータにしてほしいな~)

劣化資料を救うということ

今日は劣化した資料を多く救っている東京光音で、ちょっと変わった光景を見かけたのでレポートするよ。

6mm音声テープの補強作業の様子

これは機械にかけられないほど劣化してしまった音声オープンリールテープの補強作業をしているところだよ。この作業自体は技術スタッフさんが日常茶飯事やっている作業だけど、実はこのスタッフさん営業さんなんだって!そこでちょっと聞いてみたよ。

どうして営業さんがこんな補修・修復作業をやっているの?

私自身がお客様からお預かりした大切な資料を救うという経験をしたかったんです。技術スタッフさんから補修・修復のやり方を直接教えてもらって、最初は難しかったけど段々慣れてきました。
こういった経験は、今後私が仕事をしていく上で役に立つと思うし、資料の劣化で困っているお客様とお話するときも自分の経験を基にしたアドバイスやお話ができると思うんです。
まだまだ勉強不足ですが視聴覚資料の専門知識をたくさん身につけたいと思っています。

営業さんが視聴覚資料について詳しいのは当たり前だと思ってたけど、実際に補修・修復技術を身につけたり、しっかり勉強しているからなんだね!

視聴覚資料アーカイブ講座

こんにちは!

東京光音のYouTubeチャンネルがあるって知ってた!?

とってもためになる「視聴覚資料アーカイブ講座」を配信中だよ!

「必殺フィルム仕事人」って。。。

どんどんコンテンツは増えていく予定なんだって、みんなもチェックしてね!

KO-ONくんの技術スタッフインタビュー ~第2回~ (後編)

こんにちは!

東京光音でフィルムやテープのダビング、修復作業をしている技術スタッフにお話を聞いてみたので紹介するよ!今回は、前回に引き続き、音声ダビング作業担当のスタッフのお話をお届けするよ。よろしくね!

どうして映像や音に興味を持つようになったの?このお仕事をするきっかけは?

レコーディングの勉強をしていたことがあり、そのときにアナログメディアに興味を持ちました。

そうだったんだね~。じゃあ、とくに好きな記録メディアとかあったりするの?

思い入れがあるのはMDです。中学生の頃まで愛用してました。あの手のひらサイズが可愛くて…。音質はあまり良くないですが、そういうところも含めて懐かしさがあって好きです。

MDはテープやディスクと違って面白い形をしてるよね。
色もカラフルで僕も好きだな!
音声ダビング作業をするなかで
今までで一番印象に残っている作業はありますか?

癒着してしまった6㎜オープンリールテープのデジタル化作業です。劣化したテープはとても千切れやすいので、注意して剝がしながら補強用のテープで修復していきました。合計で3000mぐらいの長さを修復しましたが、無事に再生できた時は一安心しました。

さっ、3000メートル!? 3㎞分のテープを修復して再生できたのは驚きだね!まさにあきらめない志!技術スタッフのみんなの熱意が伝わってきたよ!ほかにも、東京光音の「ここがすごい!」ってところはありますか?

テープやフィルムがカビで真っ白になっていても、千切れてしまっていても、可能な限り復元するクリーニング技術は国内でも随一と言っていいと思います。

熱意だけじゃなくて確かな技術も東京光音の特徴だよね!社内を見渡すといろんな素材をクリーニングできるように、たくさんの機械や道具が置いてあるよね。スタッフさんが机に向かって真剣に手作業で修復やクリーニングしている様子をよく見かけるよ。それでは最後に、東京はどんな会社だと思いますか?

人数は少ないですが、その分スタッフ同士の距離が近い上に、それぞれが技術と経験を持っているので、互いに協力しながら尊敬し合える良い会社だと思います。

かっこいいな~。
それにスタッフさん同士とっても仲が良さそうだもんね
今度は僕も技術スタッフさんたちのお話にまぜてほしいな!

今回は貴重なお話しをありがとう!

2回に渡ってお届けした音声ダビングのお話楽しんでもらえたかな?因みに映画フィルム用のシネテープも音声ダビングのスタッフが担当しているよ。次回は映画フィルムのスキャニング作業の担当スタッフにお話を聞いてみるよ!お楽しみに!

お詫びと訂正

9月23日掲載の「光音ブログ」についてのお詫び

平素は、弊社(東京光音)をご愛顧いただき、お礼申し上げます。
さて、この度は、光音ブログの「スチール缶に対する記述」及び「使用した画像」に誤解を招くものがありました。
 
このことでは、不明確な表現で皆様に誤解を招いてしまい、且つ、一部の皆様に不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。

以後このようなことのないよう、再発防止に努めてまいりますので、皆様には、今後とも変わらぬお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。

株式会社 東京光音      
フィルム/ビデオ/サウンド/デジタル修復・復元センター

映画フィルムの保管方法と容器

こんにちは!今回は映画フィルム(アセテートフィルム)の保管に適した容器について紹介するよ。以前紹介したビネガーシンドローム対策にもつながるから是非読んでね!

映画フィルムの保管にはいろいろな方法があるけど、まずは容器に使われる代表的な素材を紹介するね。

●スチール (丈夫な素材)

●プラスチック (劣化に強い)

●中性紙 (通気性がいい)

●アルミニウム (軽い素材)

-密閉したほうがいい?-

基本的には通気性をよくするため密閉しないほうが良いけど、乾燥剤を使うときは効果を上げるために密閉するといいみたい。(ただ、日本の夏は暑くて湿度もとっても高いから、常温での保管は特に気を付けてね。)

常温の場合、密閉してるとビネガーシンドロームがどんどん進行するから、通気性の良い容器を選んでね。低温低湿度の場合は、常温に比べると、化学変化が抑制されるからそれほど通気性は重要にはならないけど、密閉は避けた方がいいよ。冷凍保存するときは、結露を防ぐために密閉する必要があるから、フリーザーバッグなどに入れるといいよ。

保管容器の錆びや汚れ、破損には要注意!!

映画フィルムを長く保存するためには、容器も同じくらい寿命が長い物を選ぼう!

東京光音では容器の交換も行っています。交換に用いるDANCAN映画用フィルム缶は、側面の穴(直径1㎝)から酢酸ガスを放出できる形状で、錆びることもないポリプロピレンで作られています。

ちなみに保管する時にはフィルムが縦じゃなくて横になるように保管してね。

僕たちフィルムがゆっくり休めるように、よろしくお願いしマス。

失くしたはずの8㎜フィルム

「DVDダビング」より8㎜フィルムのDVD化をご依頼された、お客さまのエピソードをご紹介します。

失くしてしまったと思っていた8㎜フィルムを思いがけなく発見し、なんとか見れないものかと検討していたところwebで御社のことを知り、お願いした結果DVDとして見事に再生して頂きました。
結婚50周年記念に花を添えることができて、とても嬉しく思っております。これを撮ってくれた叔父は昨年亡くなりましたが、我々がフィルムの映像を観たことをきっと喜んでいると思います。
そもそもフィルムの発見は叔父の手引きによるものだったのかもしれません。

数あるダビングサービスの中から、東京光音を見つけていただきありがとうございます。映っている光景と共に、撮影していた方の思い出も蘇る素敵なエピソードですね。

思いがけなく発見される8㎜フィルムやビデオテープは、保管環境や経年劣化により問題を抱えている場合があり、丁寧な作業が必要とされることがあります。

御社にお願いしようかなと思ったきっかけは御社のホームページに東日本大震災でボランティア活動をされたことが紹介されていたのを拝見したことです。
この会社なら安心して任せられると思いました。

個人のお客さまのご依頼も、業務用・アーカイブ用と同様の確かな技術でデジタル化を行い、年月を経た古いフィルムやビデオテープの映像をDVDでお届けします。

ブログをご覧のみなさまも、ご自宅を探してみると失くしたと思っていた思い出映像に出会えるかもしれませんね。

フィルムの画が消滅する!って知ってた?!

こんにちは!前にもビネガーシンドロームについてお話ししたけど、もう一度詳しくお伝えするよ。

現存する映画フィルムの多くは、フィルムのベースにアセテートセルロースが使用されているんだ。
アセテートフィルムは年数が経つにつれビネガーシンドロームを発症し、フィルムから酢酸ガス(酸っぱい臭い)を放出させるんだ。
酢酸ガスはフィルムの劣化速度を上昇させ、その結果・・・

フィルムの画が溶ける!!
ぼろぼろに砕けてしまう!!

ホントに?って思うよね。

信じてもらえたかな?
日本の気候は夏は温湿度が高く、冬は温湿度ともに低くなるよね。
フィルムの劣化は温湿度の変化によって引き起こされると言っても過言ではないんだ。

映画フィルムの保管は温湿度ともになるべく一定を保ちながら保管することが大切なんだよ。
それだけでなく、フィルムから放たれる酢酸ガスはフィルム缶やケースから外へ放出させることで、劣化の進行を遅らせることもできるんだ。

KO-ONくんの技術スタッフインタビュー~第2回~(前編)

こんにちは!

東京光音でフィルムやテープのダビング、修復作業をしている技術スタッフにお話を聞いてみたので紹介するよ!第2回目は、『音声ダビング』を担当しているスタッフさんのお話しを前後編に分けてお届けするよ。

音声のダビングってどんな作業をしているの?

アナログ音声のデジタル化や整音(ノイズ除去)作業をしています。

そのノイズの除去ってどんなことをするの? 映像とは違って音は目に見えないから、難しそうだな…

実は、映像ダビングと同じで、音声収録前のクリーニングがとっても大事です。その後、クリーニングでは除けない磁気テープ再生時の『ヒスノイズ』については原音を損なわないように気を付けながら、専用のソフトで除去しています。

原音を損なわないように…なるほど、ノイズを消して音をキレイにすることだけがベストではないんだね。
作業をする上で大切にしているのはどんなこと?

メディアに記録された当時の音声を忠実に再現することは常に意識しています。ノイズ除去作業で音を削りすぎてしまうと、音がこもってしまったり、人工的な音になってしまいます。あくまで音声を『編集』とか『加工』するのではなく、『復元』する作業であることを意識しながら作業しています。

オリジナルの音をとっても大切にしているんだね!
そのほかにも、今後こうしていきたいな~なんて目標はある?

ノイズが多くて聞き取りにくい音声のノイズ除去作業単体のご依頼が増えてきたので、ノイズ除去の精度を上げていくことが目標です。

ノイズを除去した音声を聴かせてもらった時は、とっても聴き取りやすくなっていてビックリしたよ!それでもまだまだ精度を上げたいだなんて、志が高いなぁ。
音声ダビング作業は音声をただキレイにするだけじゃなくて、当時のオリジナルの音を“復元”することが大事なんだね!

今回はここまで!

インタビューは後編に続くよ、お楽しみに!